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クリスマスの光の箱

12月2日

西南学院大学の特別講座として、読売新聞とのコラボで直木賞作家、
道尾秀介の座談会があり、カズコちゃんに誘われて行ってきました。

以前カズコちゃんから「向日葵の咲かない夏」を借りて読んでいて、
蜘蛛やトカゲに転生しちゃったりとありえない内容ながらもなぜか
「面白い」と思った作家さんでした。

でもそれ以上の情報もなく、どういう方なのか何歳なのかも知らずに
マッサラの状態で出かけて行ったのですが、いやー、ほんとに面白い
魅力的な方でした!

トークが面白いとかギャグ的な面白い、ではなくて、いろんなものの
見方が出来て、ひとつのジャンルに縛られない自由人というか、いろ
んな切り口で作品を書ける方なんだなあと思いました。

それに見かけも、41歳だということですが毎朝8キロ走っていらっ
しゃるだけあって、筋肉質で全然お腹も出てなくて、30代前半とい
ってもいいくらい若くて素敵な方でした。

私は時間がなくて、一部のあと失礼してしまったのですが、そのあと、
活字文化研究会の学生さんたちとの座談会も内容が濃くて盛り上がっ
たそうです。

法学部の准教授のインタビュー形式で進められた第一部で、特に印象
に残ったのが、道尾さんが自分の文学は、「人の”救い”を書いてい
る」
とおっしゃったことでした。

その後、彼の作品を何冊か(「ノエル」「カササギたちの四季」「カ
ラスの親指」「水の柩」「プロムナード」
など)読んでみたのですが、
「ああ、優しいなあ~~」
と心に沁みる言葉がたくさんあって、「たしかに」と思ったのでした。


たとえば、いくつか私がググッときたところーーーー



「カササギたちの四季」

私は何をやってもだめなんです・・・と嘆く女性に対して


「昨日この河原へ来たとき、僕は思ったんです。もしこの川が真っ直
ぐだったら、絵にならないだろうなって。だってそれじゃ、ぜんぜん
川らしくないですから。だから、川は、これが正しいんです。曲がり
くねって流れるものなんです。曲がりくねっているから流れるんです。
誰かが地図の上にものさしで引いた上を流れろと言われても、そんな
ことはできません」

「人間って、毎日毎日いろんなことを考えて、いろんなものに憧れて、
曲がりくねっているものです。誰だってそうです。そうやって流れて
いるあいだは、行き着く先なんてわかりません。でも僕は思うんです。
曲がりくねることは、大事なことです




「ノエル」は、「光の箱」「暗がりの子供」「物語の夕暮れ」の3部
からなっていてその3つのお話が最終的には関連づけられるのですが、
その関係性が絶妙。
それぞれの登場人物の現実と彼らが作る童話のような”物語”が絡み合っ
ているのもおもしろい。


『ノエル』
「暗がりの子供」の莉子が妹にお話を聞かせていてーー


「真子は家に帰ったわ。家族のところへ帰っても、もう大丈夫だって
思えたの。帰りたいって思ったの」

「なんで?」

「どれだけ嫌なことがあっても、もう平気だって自信がついたからじゃ
ないかな。何をどう考えるかは、自分で決めればいいんだって気づい
たからだと思う




「物語の夕暮れ」の昭ちゃんがときちゃんにーー


「もし、誰かの人生を大きく変えたり、誰かを救ってあげたり、そう
いうことができなかったとして・・・それで、自分に子供もできなか
ったとしたら、いつか歳をとったとき、何のための一生だったんだろ
うって思うかな。誰のための人生だったんだろうって」


(昭ちゃんは教師になって、結局人生に何も残せなかったと思うので
すが、実のところは知らないところでひとりの少年に”光”を与え、
その子の人生を救っていたのでした。そこらへんのエピソードが、カ
ブトムシの童話に象徴的に語られていて、感動する)


そして、(日記の日とはだいぶズレますが)やっぱり、今のシーズン
はこの部分ですね。
 ↓
「光の箱」のトナカイがサンタさんが世界中に配っているプレゼント
の中身を聞かれてーー

「はい、サンタさん。わたしたちが配っているこのプレゼントが、人々
にとってどれだけ大切なのかを知っているからこそ、毎年毎年こうし
て寒い中を頑張っているんです」

「わたしたちが配っているのは、オモチャでもお菓子でもお金でもあ
りません。オモチャはやがて飽きてしまいます。お菓子はやがてなく
なってしまいます。お金は人をみにくくさせます。そんなものは人間
にとって必要のない、まったく必要のないものなのです。人間にとっ
て本当に必要なものは、本当に大切なものは、いつまでも飽きること
のない何か。いつまでもなくならない何か。そして、自分がこの世に
一人ぼっちではないということを信じさせてくれる何かなのです。
もし、わたしたちが配っているこのプレゼントがなかったら、人間は、
生まれて死ぬ、ただそれだけの生き物でしかなかったことでしょうが。
憎み合って、戦って、自分だけが生きのびようとする、ただそれだけ
の生き物でしかなかったことでしょう。だから、わたしたちはみんな
にプレゼントを配るのです。わたしたちが配っているこのプレゼント
には、ちゃんとした名前がありません。名前なんて必要ないからです。
人々はこれを、幸せとか、愛とか、驚きとか、喜びとか、思い出と呼
んでいます」






世界中に「光の箱」からサンタさんからのプレゼントが届きますよう
に!


メリークリスマス!!


 


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