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2011・5・25 父の I love you.

今週からこちらは梅雨に入りました。

毎年この季節になると「乾燥まで出来る全自動洗濯機が欲しいなあ~」
と思うSophieです。(でも梅雨が過ぎてしまうと「まっ、いっか」と
思うんですけどね・・)

先週土曜日に、地元の女子大学の英語学科が主催した「これからの英
語コミュニケーションを考える」
という公開講座に行って来ました。

メインスピーカーは鳥飼玖美子先生。

言わずと知れた同時通訳のパイオニアのお一人で、私の年代が若いこ
ろは、彼女はテレビでも活躍するアイドル的存在でした。

今も理知的なかわいらしさはそのままに、いい歳の重ね方をされた方
が持つ謙虚さと優雅さの漂うほんとに素敵な方でした!

小学校での英語導入も始まり、現代のグローバル社会で日本が生き残
っていくためにますます英語の必要性は高まっていますが、求められ
るのは国際共通語としてのコミュニケーション英語であり、「教養英
語」や「異文化理解(今の教科書では異文化=アメリカ)としての英
語」の比重は少なくなっていく傾向にあるようです。

というのは、英語を使う人が英米など母語話者だけではなく、世界中
に及び(母語話者は3~4億人、ネイティブではない英語の話者は
10数億人とも20億人とも言われている)昔のように英語で学ぶ異
文化イコール英米文化とは全然言えない時代になっているからです。

実際、先日見たNHK「クローズアップ現代」では宮崎の小学校での
英語授業の一環で、マレーシア出身の先生が子供達に英語で自分の国
のことを紹介し、生徒たちも「おもしろい。行ってみたいと思った」
と興味を引き起こされるなど、期せずして「英語で異文化(マレーシ
ア)理解」の授業となっていました。

国際共通語としてのコミュニケーション英語の核(lingua franca core)
を提唱しているジェニファー・ジェンキンスという先生は、「とにか
く言いたいことを伝え相手がそれをわかる」「相手の言うことや気持
ちがわかる」そのために最低必要な大事なことは何か、ということを
研究されているそうですが、鳥飼さんのお話によると日本人の苦手な
RとL、th の発音などは出来なくてもあまり問題ではないそうです。

three を tree と発音しても文脈でわかるし、案外その方が通じたり
もするし、お国なまりのJapanglishでけっこうーーーとなると、発音
の苦手な私はがぜん元気がでてくるわけです。(^ o ^)/~~

でも、コミュニケーションのためには、自分が何を伝えたいか自分の
中身も問われますね。(中身がからっぽだと何も出て来ないしーーー
となると、ちょっと不安な私です)(;^_^A

自分の思いや気持ちや考えを伝える手段といえば、今はやはり携帯か
e-mailということになるのでしょうが、電話もそう一般的でなかった
昔はほとんどが「手紙」でした。

公開講演会に行った日の夜、隣りに住む母の家に寄った時のこと。

父の遺品を整理していた母が「こんなものが出て来た」とひどく古び
た箱を見せてくれました。

中身は、100通以上あろうかという、黄ばんで変色した表書きは墨
で書かれたものもある、父と母がやり取りした古い手紙の束でした。

母の旧姓宛の手紙もあり、婚約時代からのものも含まれているようで
す。

タイプした文字を貼付けた電報もありました。

「イロイロ ワガママ ユルシコウ イマカラ ヨナゴ タツ」

なんて、何があったのでしょうねえ・・・若き日の父母の姿を思い浮
かべてしまいました。

「とっておけばいいのに」と私は言うのですが、母は、
「有名な作家じゃあるまいし、文化的資料にもならないし、門外不出
開封厳禁。 私が生きてるうちにお父さんのは焼いて、私の分はお棺
の中に入れて一緒に焼いてもらう」と言っています。

その中から、「あなたに宛てたハガキもまぎれてた」と、留学中のア
メリカから父が私に出した一枚のハガキを見せてくれました。

自由の女神の切手が貼ってある小さな絵葉書には、縦書きで父特有の
小さな字で、

「おてがみありがとう。ぱぱもげんきです。このえはがきのどうぞう
はぱぱのいるハーバードだいがくをつくったひとです。
ままのゆうことをよくきいて、ピアノのれんしゅうをいっしょうけん
めいしなさい。またかきますからえはがきはとっておきなさい。
                          パパより」

とありました。(しかし「とって」なかったのか父が書かなかったの
か、他のハガキは1通もなし)

当時1ドル360円の時代、円の持ち出し制限もあり、妻子を連れて
留学というのは大変で、就学前の私と弟は祖父母に預けられ置いてい
かれ(その時連れていってもらえてたら、こんなに発音で苦労するこ
ともなかったのになあ~?!)、母は何ヶ月か遅れて渡米したそうで
す。

母が発つまでの、ボストンの父と日本の母のやり取りが約40通。

母のいない異国での何ヶ月かは寂しかったらしく、手紙の中には
「早く、早く、来てください」
というものもあったそうです。
(でも私達子供のことはどの手紙にも全然といっていいほどふれてな
いそうで・・・)

来月の一周忌を前にして、母は、50年の時を経て父からのラブレタ
ーをもらったのだと思いました。

無口で無愛想な父でしたが、「早く、早く、来てください」の中に精
一杯の “I love you." をこめるなんて、案外「コミュニケーションの達
人」だったのかもしれません。

でも、いくら「早く来てください」と言われても、今、母に天国へ行
ってもらっては困りますから、

「それは我慢してくださいね、お父さん!」
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コメント一覧

#510 No title
「早く、早く、来てください」なんて言われたら奥さんであるお母様も嬉しかったことでしょう。
子供をおいて行ってしまうお母さんもすごいです。でもそういう時代(?)なのでしょうね。
本当に国際共通語としてのコミュニケーション英語は必要です。
私も妻とは結婚前、1日おきくらい手紙を1年間書いていました。妻は今でも手紙を持っています。私もずっと持っていたのですが、家の中で紛失し引越しのときも出て来ませんでした。
ジェニファー・ジェンキンス先生は興味あります。
#511 No title
お父様はハーバードに留学されていたなんてスゴイ!!
やっぱりDNAが息づいてますね、Sophieさんにも。

絵葉書の内容からは優しいパパしか想像できず、今までにご紹介してくださった厳しく無口な姿は垣間見られませんね。

英語教育は賛否両論ありますが、私も話す中身のほうが大切だと思うので、英語よりも思考力やコミュニケーション能力を磨くほうが先だと思います。
#512 マックスさま、
マックスの1日おきに1年間というものすごいですね!!
情熱的だわあ・・

置いていかれて、私は別に寂しかったという記憶もないのですが
(その頃からノーテンキだったんでしょうね)
2歳だった弟はすっごく傷ついたらしく、いまだに
「僕は捨てられた」という思いがあるようですよ。
やっぱり男の方が繊細なのかしら?と思ったことです。

ジェニファー・ジェンキンスという方は私は知りませんでしたが
その研究、おもしろそうですよね。
#513 Kumikoさま、
鳥飼さんも、ペラペラ英語をしゃべるよりも、人の気持ちを思いやれるとかコミュニケーションに必要な素地をつくるのが先、と
おっしゃっていました。


アメリカ滞在中に東部旅行をしたとき、ハーバード大学を訪れ、ジョン・ハーバードの銅像の前で写真を撮ったことを思い出しました。
絵はがきの銅像とまったく変わらない(当たり前なのですが)
のに妙に不思議な思いがしました。

#514 光陰
もう1周忌ですか・・・ついこの間のような気がするのですが、齢を重ねると時が経つのが速い。

タイプ文字を貼り付けた電報というだけでも資料的価値があります。
取っておいたほうがよいと思います、再考を・・・
#515 Terryさま、
私も燃やしてしまうにはもったいないなあ・・・と思うのですけどね。

ほんとに1年がどんどん早くなるような気がします。
50年後なんて考えると、私達誰も残ってないよねえ~・・

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