2010・7・28 人間点描
娘の友人の卒論テーマのための、親子インタビューに協力したり、マ
イミクさんに会ったり、大学時代の同級生に会ったり、小学校の同級
生で東京近辺に住んでいる人(30名ほどいるらしい)の同窓会に出
席したり、息子に会ったりーーーと、忙しくかつ有意義に過ごした楽
しい3日間でした。
今回は、息子の会社の福利厚生の一環であるカフェテリアポイントな
るものを使って(1親等まで利用可だそう)帝国ホテル泊という、日
頃出来ない贅沢をさせてもらいました。
同窓会が銀座だったこともあり、夜の銀座を飲み歩・・・いてはいま
せんが、2次会も終電を気にすることなくゆっくりと最後まで、すい
かのカクテルなどを飲んでおりました。
「鹿児島の小学校時代の同級生達と夜の銀座を歩く日が来るなんて、
想像もできなかったね」
と誰かが言っていましたが、ほんと、人生はこれだから不思議です。
今回は、東京で会った友人や家族の他に、滞在中にちらりと触れ合っ
たり見聞きしたりした人たちのことを書こうと思います。
<その1>
ホテルの部屋を夕方出ようとしてドアを開けたら、斜め向かいの部屋
のドアが半開きになっていて、中から甲高い女性(おそらく中年以上)
の声が聞こえてきた。
外の廊下には制服を着た、従業員の若い女性が立っている。
どうも、かの部屋の客に叱責を受けているようだ。
「OOさんや△△さんは決してこんなことはありませんでしたよ!」
(この方常連さんらしい・・)
「ほんとに質が下がったって、私のまわりのお友達も言ってますよ!
帝国ホテルともあろうものが、どうして採用するときにもっと人物審
査を厳しくやってその人の品格までみないのかしらって!」
客室係?の女性の方は、ただただ頭を下げて、「はい」・・「はい」
・・「申し訳ございません」・・と平身低頭あやまるばかり。
なんだか出づらくて、ドアの隙間から立ち聞きしてる形になっちゃっ
たのですが、一体何がそんなに気に入らなかったのでしょうねえ??
「帝国ホテルともあろうものが、名前が泣きますよ。このごろの従業
員は品格がない!」
ーーーーう~~ん・・あなたの、ヒステリックに同じ文句を繰り返す、
その怒り方も、私にはあまり品格を感じられないんだけどな・・・。
いくら待ってもその女性の怒りおさまらず、延々と叱責は続くので、
ついに私もササッと出て脇をすり抜けて行ったのですが、ああ、あの
若いスタッフはあれからまたどのくらい頭を下げ続けていたのかしら
・・・。
<その2>
朝食を「ラ・セゾン」で優雅にいただき部屋に戻る途中、3、4歳位
の男の子と女の子が追っかけっこのように走っていた。
女の子を追っかけていた男の子が、必死の面持ちで、
「待って~~、しょうこちゃん!」
「なーに?」
「ねー、しょうこちゃん!大きくなったら、ぼくとケッコンしてくれ
る?」
・・・・か、かわいい・・・・。
<その3>
お部屋のテーブルの、メモ用のボールペンがあまりにも書きやすくて
気に入ってしまった私。
チェックアウトの時、フロントの男性に
「あのボールペンがすごく書きやすかったので欲しいんですけど、こ
こで買えますか?」
と聞いたら、
「ちょっとお待ちください!取ってまいります!」
と、お部屋までダッシュで取りに行って、私にくださった。(タダで)
ありがとう!あのときのフロントの方!ヾ(≧∇≦)〃♪♪♪
<その4>
彼がボールペンを取りに行ってる間、ロビーの椅子に坐って待ってい
た時、隣りにいたドイツ人(たぶん)の親子と目が合ったーーー
途端、ニコッ、と笑ってくれた。
私もニコッ、と笑い返した。
<その5>
帰りの空港行きの京急電車の中。
30代ぐらいの男女のグループが山のようなディズニーランドの袋を
抱えて乗ってきた。
「楽しかったねえ~~~」
「何年分遊んだやろうか?」
「オレ、2、3年分は遊んだ。これであと2、3年は働ける!」
ーーーよっぽど楽しかったんだろうなあ~♪
良かったね。
すれ違っただけの人にもそれぞれの人生がある。
あの従業員はあとで涙を流しながらも、きっと厳しい叱責をしてもら
ったことが糧となり、より良いサービスウーマンとなっていくだろう。
あの男の子はしょうこちゃんではない女性と恋に落ちるかもしれない。
フロントの男性はゲストに「ここに泊まってよかった」と思う幸せを
これからも与えてくださるだろう。
ドイツ人の親子は日本を楽しまれただろうか。お国に帰ったあと、お
友達に「日本はいいところだった」とお話してくれるだろうか。
あの若者は、ディズニーランドで得た活力で、また会社でバリバリ働
き、2、3年後の旅行に向けて貯金を始めるのかな?
そんな思いを抱きながら、福岡に戻ってきたら・・・
愛犬ロッキーちゃんがまたグッタリと元気がない! 。・゚・(ノД`)・゚・。。
この子は、私が旅行すると必ず、エサも食べなくなり元気がなくなり、
血尿は出るわ、吐いて下痢するわ、で死にそうになったこともあるの
です。
私が戻ってしばらくするとケロッと良くなり元気になるのですが・・
・・。
そうかそうか、私がいない寂しさがそんなにもストレスになるのだな。
ああ、ロッキーちゃん、そんなに体調崩すほど私に恋いこがれている
のね・・・
ーーとスリスリしながら、なぜか
「しょうこちゃ~~ん」の男の子を再び思い出した私です。
これって、私頻繁に思います。
電車に乗っている時も、街を歩いている時も、ふと視線がいった人をみて、この人にもご両親がいて、友人がいて、この人を愛してくれるたくさんの人がいるんだよね。
って。
本のタイトルに「品格」がついてからでしょうか?
やたらと品格、品格と叫ぶ人が多くなった気がしますが、なんとなく品格という言葉は好きではありません・・・